ハンドソーンウェルテッド製法とは - ギルドの靴製法


ハンドソーンウェルテッド製法とは

ハンドソーンウェルテッド製法は、グッドイヤーウェルテッド製法などの原型となる製法です。手縫いでなくては不可能な、曲がった針を使用した「すくい縫い」により、アッパー、インソール(中底)及びウェルトを、松脂を擦り込んだ麻糸で縫いつけています。
すくい縫いを行うため、インソールは3.5〜5mm程度の厚みを持つ革が使用されています。この非常に厚いインソールが、履き込むことでユーザーの足に沿って沈みが出て、足型をコピーします。この時点で靴がパーソナルレベルで完成するとも言えます。
一旦、ユーザーのに足型に整形されたハンドソーンウェルテッドの中底は、ウェルトを含めたリペア(オールソール/リウェルト)の際にダメージを受けないため、足に馴染んだ中底を温存できます。このようにリペアによるダメージをインソールがうけないことが、ハンドソーンウェルテッド製法の特長の1つで、まさに「一生モノの靴」と呼べる製法です。

他の製法との比較

グッドイヤーウェルテッド製法
グッドイヤーウェルテッド製法は、1874年米国で生まれた機械式のウェルテッド製法です。すくい縫いを機械縫いで行うことで、ハンドソーンウェルテッド製法の堅牢性をそのままに、それまでのハンドソーンウェルテッド製法に比べ飛躍的なコストパフォーマンスを実現しました。
ハンドソーンウェルテッドでは手作業で行うすくい縫いを、大型ミシンによるツマミ縫いに変更するために、リブと呼ばれるテープがインソールに垂直に接着剤で貼り付けられています。リブ自体が5mm程度の高さが必要で、靴が厚く見え過ぎることを避けるため、インソールには2mm程度の薄いものを使用する必要があります。ハンドソーンウェルテッドでは厚いインソールが担う足型のコピーも、主にリブの厚さ分に詰められたコルクが担当します。そのため、修理でオールソールを行う際、コルクの交換を行った場合、履き心地が大きく変化することがあります。また、機械によりウェルトがツマミ縫いされているため、ウェルトを含むリペアは、リブを極端に傷めるため何度でも可能とは言えません。

マッケイ製法
マッケイ製法はアッパーとアウトソールを直接貫通させて縫いつける製法です。薄いインソールとアウトソールを使用できるため、ドレッシーで華奢な外観と、軽さ、返りの良さが特徴となり、逆にハンドソーンウェルテッド製法や、グッドイヤーウェルテッド製法と比べると、堅牢性に劣る場合が多くなっています。
最近は接着剤の開発が進み、縫わなくても十分なモノにまで、印象を良くするためだけにマッケイ縫いをかけている場合もありますが、接着剤に負けるほどの柔らかいインソールを使用して足当たりを良くした靴や、逆にミッドソールと縫い付けた後、クレープソール等を接着することで、アウトソールのリペアが可能となるカジュアルな靴にマッケイ製法が使用されていることが多くなっています。
靴にもよりますが、マッケイの場合オールソール毎にインソールを傷めるため、底の交換は1〜2回が限度と考えられます。

ギルド関連サイト

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